武蔵野の草原に立つ

アイドルのライブへ行く趣味について徒然に。

立ち位置や序列

ドルオタにとって、推しの立ち位置は非常に重要な問題だと思います。

AKBグループのファンの方でしたら、総選挙の結果はドルオタ生活を左右するものにもなるでしょう。一枚でも多くCDを買うために働き、収入の多くを惜しげもなく注ぎ込むドルオタの姿は、もはや一種の風物詩であるとも言えます。また、地下アイドルの現場に目を向けても、センターは一番人気な方、そこから端に向かうに従って序列が落ちていく、という構図は当たり前であるとも言えます。こうした競争は、アイドル本人やドルオタの意識を高め、人気投票が行われることによって経済効果も狙えますので、非常に理に適っていると思います。一方で、推しの順位がなかなか上がらない場合、そのアイドルさんももちろん、ファンの方も辛い思いをされることも明らかです。

私の場合、推しのユニットには序列がありません。楽曲の中で立ち位置は目まぐるしく変わり、どなたかが一番目立つとか、どういった差はありません。HPの写真でも、MC中でも、推しはセンターにいる場合もあれば、一番端にいる場合もあります。

私は推しユニットのこうした平等性が大好きですし、ずっと変わらずにこのままでいてほしいと思っています。もし人気投票ですとか、センターを一人に絞るですとか、そんなイベントがあったら、自分はどんな結果に終わっても笑えないと思います。

というのも、私は一応「単推し」ではありますが、他のメンバーさんのことも大好きなのです。もし人気投票があって、推しがセンターになったとしても、それは他の方を押しのけてなったことです。他のメンバーさんは悔しい思いをされるのだろうと思うと、手放しでは喜べません。

また、そうした競争を取り入れた場合、やはりメンバー間にはライバル意識が生まれてしまうと思います。確かに、今の状態でも多少のライバル意識はあると思います。しかしそれは、あの方は自分より歌が上手だからとか、自分がより高みを目指すためのライバル意識であると思うのです。しかし、全員に順位がつく競争が始まってしまうと、お仲間は蹴落とさなければいけないライバル、もしくは敵になってしまう可能性もあります。私は、メンバーが友人同士として非常に仲がいい、推しユニットのほのぼのとした空気が大好きです。

AKB48でしたら、かなりの大所帯ユニットですから、ある程度「選抜」を決めるのは仕方のないことかもしれません。しかし、推しが所属しているような少人数ユニットでは、競争は必ずしもよいことではないと思います。

もっとも私だって一応大人のつもりですから、全員がまったく平等なのだ、なんてことは思っていません。ライブで「目当ての出演者」に誰かの名前を書かなくてはならないのは、その名前の人物にギャラが上乗せされるから。物販でメンバーのグッズが売られる場合、全員分が同じタイミングで完売するわけではない。そして、個人のグッズの収益は、そのままユニットに還元されるわけではない…などなど。

分かってはいます。自分が必ず推しの動員としてライブに行くのも、ほんの少しでも推しのためになりたいからです。推しのグッズが真っ先に完売すれば、本当に嬉しい。収入のことを考えるのは下品なことでしょうが、所詮ファンが一番推しのためになれるのは、お金を納めるという行為に他なりません。

内部では売上順位はあるでしょう。その存在自体はなんとなく分かるのだから、それを明確にしてファンの前に出さないでほしい。推し事は現実から離れた夢の世界なのですから、わざわざ現実世界の厳しさ、世知辛さを持ち込んでほしくない、と思います。