武蔵野の草原に立つ

アイドルのライブへ行く趣味について徒然に。

一線をどう引くか

生きている上で、人さまからご注意をいただくことは実に多いものです。親、先生、バイト先あるいは勤務先の上司。私は社会人の方にとっては生意気な小娘そのものですので、毎日どなたかから叱られているのではないでしょうか。


一方で、推しは決してファンである私を叱ることはありません。叱れない、と言った方が正しいでしょう。稀にファンの目に余る行為に苦言を呈するパフォーマーの方がいらっしゃいますが、必ずその行動には賛否両論が巻き起こります。このようなレアケースを除けば、ファンは基本何をしても大目に見られる存在です。だからこそ、自分で自分を律することが大切だと思います。


例えば、推しに敬語を使うかタメ語を使うか。これはファン及び推しの価値観や好みがありますので、一概にどちらが正しいとは言えないものです。しかし、一般的な社会常識から言えば、敬語、少なくとも丁寧語を使うべきだと思います。推しが年下の場合でも、彼はお友達でもなければ恋人でもありません。私は推しに敬語を使っていますが、それは推しが年上だからではありません。必要以上に馴れ合い、ファンとしての自分の立場を見失うことがないように、自分から一線を引くべきだと考えているからです。また、私は心から推しに敬意を払っています。日々慢心せずに練習をこなし、アイドルとしての努力を重ねられている姿は、とても自分には真似できない、尊敬すべきものであると思うからです。


話が逸れましたが、仮に年上の推しにタメ語を使っても、推しは「俺は年上だぞ、何だその口の利き方は」などとは言えません。そのやさしさに甘やかされ、タメ語を使い、やがては失礼な発言をし、人格を尊重しないような言動をする。ファンが推しに甘えると、ファンの人間性も堕落し、推しもストレスを抱えてしまう。どちらにも悪影響しかないと思います。
推しは、ファンが何をしてもいいサンドバッグではありません。「推しが怒らないからいいや」などという考えは、ドルオタ界では通用しないと思います。もし推し、というより運営からご注意をいただくことがあれば、それはもう出禁寸前の、大変深刻な事態になっているはずです。


推しにはどこまで親しんでよくて、どこで一線を引かなければならないのか。その線引きは、全て運営から指示されていることはありません。ですので多くの要素は、ファンがそれぞれ決めなくてはならないでしょう。言葉遣いはどうするか?今日のパフォーマンスは不十分だったけれど、それをツイッターでお説教していいのか、軽いアドバイスくらいならいいのか?プレゼントはいくらくらいの、何を贈るか?…あくまで自分の推し方として、「必ず敬語を使う」と申しましたが、これはあくまで一例。この線引きに、正解はないと思います。


線引きを決める要素として、私は折に触れて「推しはファンの欲求を満たすための存在ではない。どこかのお家の大切なお坊ちゃまなのだ」ということを意識するようにしています。推しも人の子、となれば、「もし自分の息子にされたら嫌だと思うこと」を基準に考えれば、自然と自分が目指すファンの在り方というものが分かってくるように思えます。息子がいるどころか、未婚の私にはなかなか実感の湧かない妄想ではありますが…