武蔵野の草原に立つ

アイドルのライブへ行く趣味について徒然に。

同担拒否について

「同担拒否」とは、同じ方を推す他のファンを露骨に嫌う、あるいは生理的に受け付けないことを指します。現にはてなブログで他のドルオタさんのブログを読んでおりますと、「自分は断固、同担拒否だ」という方が多い…というより、大半だと思います。これはドルオタ界全般に言えることなのでしょう。その拒否の度合いは異なるでしょうが、やはり他のファンが自分の推し推していたり、あるいはファンサを貰っていたらおもしろくない、と思う方は大半でしょう。
一方で私は、おそらくドルオタとしてもかなり稀有な「同担拒否まったくなし」派です。
なぜ自分は同担拒否をしないのか?その理由の一つは、推しが本当にファンに平等に接してくださる方だからだと思います。この方のリプだけ返信をしてくださらないとか、あの方にだけ物販で目を合わせないとか、そんな姿は一度も見たことがありません。他のファンが推しのファンサービスを受け、幸せそうにしている姿は何度も拝見しました。でもそのファンサービスは、私が彼の前に行けば私も受けられるもの。「何よ、あの方ばっかり」なんて気持ちは起こらないものです。
もちろん、平等に接したくてもできない方もいらっしゃるでしょう。例えばジャニーズの方でしたら、うちわに書かれたメッセージ(「手を振って」とか、「ハートマーク作って」というような、ファンサのリクエスト)の全てに対応することはできないでしょう。終演時に降る銀テープも、ファン全員の手に渡る量はとてもではありませんが降らせることはできません。こうしたファンの中で得られる満足度に違いのある場合は、より同担拒否が激しくなってしまうのではないでしょうか。
また、同担の方を敵視したところで意味などない、という思いもあります。同担を敵視する、つまり「あのファンより私の方がよいファンだ」(例えば、美人だ、いい差し入れを持ってきた、頻繁に通っている…)などと競っても、楽しくないと思うのです。私は今学生で、今後も偏差値、テストの成績で測られる世界で常に競争をしていく身です。お仕事を持たれているファンの方は、出世競争に否応なく参加させられていることも多いでしょう。現実世界は競争から離れられないのだから、いっときの安らぎを得に来ている推し事でまで、競争をしたくない、と思います。
また、例え「推しの一番のお気に入り」を目指して頑張ったところで、誰がその結果を知りえるでしょうか。テストなら頑張れば結果が出ますが、いくら同担を押しのけ、蹴落としたとしても、「おめでとう、君が僕の一番のファンだよ」なんて言ってくるのは、プロ意識を持てていない芸能人だと思います。
そもそも、「私が推しを一番愛している!」とどれだけ声高に叫んだところで、誰も推しの一番になんてなれないと思います。ツイッターでしたでしょうか、推しの一番のファンは推しのお母さまなのだ、というポストを読んだことがあります。まったくその通りで、我々赤の他人がどれだけ推しのことを想ったとしても、ご家族には叶わないのだ、そう思うと、ならばお母さまに叶わない者同士、競争なんて無意味だと思えます。
また、同担を歓迎することにはメリットもあります。自分より古株の同担の方に会いますと、私が知らない時代の推しについて教えていただけます。また、同担同士ではやはり話も盛り上がり、その過程で新たな推しの魅力が発見できることもあります。ご新規が入ると純粋に嬉しいです。

しかし、私も同担の方を誰かれ構わずナンパしているわけではありません。同担の中でも、明らかに推しに迷惑をかけている方、マナー違反をしている方とは絶対に距離を取ります。正直、「あんな下品な方も同担か…」と、醜い気持ちが生まれることもあります。同担拒否をする方は、推しに迷惑をかける人であれ、モラルのある理想的なファンであれ、必ず距離を取るのでしょう。私のように中途半端に「同担歓迎」などという気持ちを持っていると、「同担拒否と言いながら、なぜあの方には嫌悪感があるのだろう?」と複雑な思いになることがあります。
それに、同担の方とは、ライブ会場でお話はしますが、じゃあ休日一緒に遊びに行きましょうとか、プライベートで仲良くなることはしません。ライブ会場で会う方は、年齢も、職業も、生きてきた軌跡も全く異なる方ばかりです。お友達になるには、学生時代を共にした経験なり、同じお仕事を頑張るなり、何かしらの共通点が必要かと思いますが、それが「同担」というだけではあまりにも弱い、と思います。それに同担歓迎の身でも、いつ同担に向けて嫉妬心がわくかは分かりかねます。私は今のところ同担に嫉妬したことはありませんが、嫉妬心というものを持たずに生まれてきたわけではないのです。

同担を拒否せず、むしろ歓迎もするけれど、決して深いお付き合いはしない。なぜなら、マナーを守れない人への嫌悪感はあるし、いつ私も嫉妬心に苦しんでしまうか分からないから、そうしたら推し事も楽しくなくなってしまうかもしれないから。それが私が同担の方に向けて常に持っているポリシーなのだと思います。