武蔵野の草原に立つ

アイドルのライブへ行く趣味について徒然に。

推しへの差し入れ

差し入れを選ぶこと。これは私にとって、究極のエンターテイメントでもあります。

 

幸い、私の推しの事務所は常識の範疇の差し入れでしたら受け取ってくださいます。ですのでライブやイベントの度に、何を差し上げようかしらと悩める。これは本当に楽しいことです。あれこれ悩んでいると、自然と差し入れを選ぶ基準、気を付けるべきポイントというものが自分の中で出来てきたように思えます。

 

①消え物であること

もっと親しくなれば、形に残る物も渡せるのでしょうか?…とりあえず今は、無難なものに落ち着いてしまいます。9割が食べ物です。

 

②全員+αに行き渡る量であること

差し入れは推しだけにではなく、全員に行き渡る量を必ず購入します。スタッフさんが何人いらっしゃるか分からないので、メンバー全員より気持ち多めで。

 

③個包装であること

ライブの裏側がどれだけ忙しいかなんて、私には想像もつきません。最悪、「箱を開ける」→「数個お菓子を掴んで鞄に放り込む」→「そのまま撤収」が5秒でできるか、を想定して選んでいます。

 

④その食材に苦手意識を持っている方がいらっしゃらないこと

スタッフさんについては分かりかねるのですが、推しが所属するユニットのメンバーに関しては、ブログを遡るなどして苦手と発言している食べ物の情報を抑えます。

また、推しはアレルギーを持っていらっしゃる方ですので、そこには細心の注意を払います。その食材と同じまな板を使わないようにと厨房に頼んだこともありました。というのも、私自身アレルギーによるショック症状で救急搬送されたことがありますので、アレルギーの怖さは身に沁みて分かっているのです。

ちなみにアレルゲンが私にとって唯一の推しとの共通点なのですが…こればっかりは嬉しくない…

 

⑤それなりにレアであること

どこの駅ビルにも入っているようなお店の商品ではつまらない気がしますので、本店とデパ地下の出店しかないようなお店を選ぶことが多いです。彼らは私以外にもたくさんのファンの方から、たくさんの差し入れを受け取られているのでしょうから、あまりにもメジャーすぎるお店のものですと被る恐れもあります。

 

⑥美味しいもの

差し入れ候補は、手土産ハウツー本やテレビ番組からいくつかピックアップしますが、その上で必ず試食をします。ここで、心の底から「美味しい!」と思えるものでないと実際に差し入れすることはありません。どうせなら、推しにも同じ感動を味わっていただきたいから。試食と言い訳をしながら美味しいものをたくさん頂けるのはとても嬉しいのですが、この習慣には一つ難点があります。それは、ばら売りしているものでないと試食が難しいということ。例えば、焼き菓子の詰め合わせですと、最低でも2000円ほどのギフトボックスからしか売っていない、なんてものもあります。そのような場合は、とても自分では頂ききれませんので、一人暮らしの友人の家にお泊りする時に手土産として持っていき夜食を兼ねて一緒に食べる、という方法をたびたび使いました。

 

⑦多すぎないこと

叙々苑の焼肉弁当を景気よく全員分…なんて妄想もまあ一回くらいはしてみましたけれど、実現には至っていません。推しは私以外のファンの方からもたくさんの差し入れを受け取られる身。私の差し入れだけでお腹を満たしてしまっては、他のファンの方に失礼でしょう。

 

(番外編)日本語、英語表記であること

私はヨーロッパが好きでよく行き、必ず推しにお土産(現地でしか手に入らないお菓子)を買ってきます。その際、「日本人の方に渡すので、日本語か英語のメニューを入れてほしい」と頼みます。日本人観光客が訪れる観光地ですと、ほとんどの場合日本語のメニューが添えられていますので助かります。

 

さて、差し入れとはこのように、多くの条件を満たすものでないと差し上げないことにしております。つまり、心から差し上げたいと思えるものに出会うのは至難の業。だからこそ、私は「差し入れを選ぶ」という行為を、心の底から楽しめているのです。全ての条件を満たすものに出会えると、まるで宝探しに成功した子供のような喜びに浸れます。

差し入れには当然、お金がかかります。しかしこのお金は、推しのために失ってしまったものではありません。このエンターテイメントを楽しむために、等価として差し出すもの。推しがお礼を言ってくれることや、彼のブログに写真が載せられることは、おまけに過ぎません。今後推しがどんどん成長して、手の届かない存在になったとしても。つまり、差し入れを直接渡すことができなくなったり、あまりにもプレゼントの量が膨大になっていちいちブログに載せることができなくなったりしても、私は差し入れをし続けるのだと思います。