武蔵野の草原に立つ

アイドルのライブへ行く趣味について徒然に。

推しの健康と発展を祈る ―豊川稲荷東京別院―

今年も残すところあと一週間となり、そろそろ初詣のことも考える時期となりました。私にとって、初詣には二つの意味があります。

一つは実家の近くにある、幼少期からお世話になっている神社に家族と詣でること。家族の健康や、自分がこの先の一年間で達成したい目標などを祈願します。こちらは喪中の年を除き、毎年元日の朝に詣でます。

そして2日か3日、少なくとも松の内に、一人で推しの健康と発展を祈る初詣を行います。場所は赤坂にある豊川稲荷東京別院です。以前ジャニーズファンをテーマにした本で、推し(ジャニーズファンの方は「担当」と仰るのでしょうか?)のためにファンが最後にできることは祈ることであると宣言された上で列挙されていたパワースポットの一つである、芸道精進にご利益のあるお寺です。

そのご利益が有名であるため、多数の芸能人のお名前入りの提灯が飾られており、有名な方のファンにとってはそれだけでも聖地のように思えるのでしょう。また、前述のような本で紹介されていた以上、やはりジャニーズファンの方の参拝も多いものです。以前、あるジャニーズタレントさんが入院されている時期に参拝した折は、その方の回復を願う絵馬が鈴なりになっている状態で、その光景に圧倒されました。また、ライブのチケットの当選を祈願した絵馬も多くかけられています。

初詣をすると書きましたが、私は推しが少しでも大きなライブに出演する際、CDをリリースする際など、折を見つけて参拝しています。交通の便もいい場所ですし、お寺ですと神道で言う穢れを背負った時期でも安心して参拝できる点が有難いです。大体月に一度くらい伺っているでしょうか?仕事や学校がない日かつ大安の日を選ぶのは、なかなか大変なものでもあります。

山門に一礼、参道の左端を歩く、といった、テレビで紹介されると芸能人が「知らなかった」と驚くようなマナーも徹底的に調べました。仏様に失礼な行いをして、それで推しへのご利益が減ってしまうかもしれない、などとついつい考えてしまうものですので。

お手水はとても清涼なお水ですので、口をすすぐ動作まで安心してできます。お手水のすぐ近くには燭台がありますので、必ずろうそくを一本灯します。

そして本堂へ伺いますが、靴を脱いで中まで上がれるのも魅力的です。外に立ってお参りするよりも、畳に正座して頭を下げる方が、はるかに気持ちが洗われるように思えます。

本堂の中にも、またお外にも、お守りや御朱印を販売する一角が設けられています。そこで絵馬を購入します。芸道精進のご利益がある絵馬は、お稲荷さまをモチーフにした狐のイラストがついています。

推しの今回のお仕事が成功しますように、また、推しがいつまでも健康で、幸せにお仕事をされますように、と大体願うのはそのようなことです。推しがお仕事に大きなストレスを感じることなく、アイドルでいる時間を心から楽しんでくださること。物販であたたかな言葉をかけていただくことより、差し入れをSNSに載せてくださることより、それが私にとって一番嬉しいことなのです。

私は敬虔な仏教徒というわけではありません。むしろ元日には神社に参拝しますし、ミッション系スクールに通っていた時期もありましたし、日本人特有の適当な宗教観を持っているタイプですそれでも、やはり宗教施設の荘厳な雰囲気には心洗われますし、しっかり祈ったあとは何か言葉にはできない不思議なパワーを授かったような気もします。

そして、推しのライブが成功しても、推し始めてから彼がずっと病気も怪我もしないことについても、自分が祈っているからだ、などという傲慢な気持ちは決して持たないようにしています。この参拝についても、推しには言わないようにしています。そもそも参拝は、推しの活動を経済的には支えているものではないもの。要は自己満足に過ぎない行為なのだから、どんなに時間を割いて行ったところで威張ることではないのだ、と常に自分に言い聞かせることも大切だと思っています。